技術者として、今後どのような技術を研究開発すべきか考えてみた
この記事は、以下の記事を書いた後に、技術者としての将来はどうあるべきか考えたので、その内容をまとめてみました。
electricalengineer.hatenablog.com
新商品が製品化されるまでには、研究⇒開発⇒製造といったように段階を経る。また、研究と開発においては、それぞれマーケティングや法規などの要素から、ニーズがあるのか?、売れるのか?が調査される。
かつては、自動車製造メーカー自ら全ての部品に対しても研究開発していたと思われる。しかし現状では、自動車製造メーカーにとって中身がブラックボックス化した製品も増えてきた。簡単な原理であれば中身の把握も可能だが、VSAの様な複雑化した部品は細かい所まで自動車製造メーカーが全てを把握している人は少ないと思う。
その理由は全ての業務が分業化が進んでいる。
車全体の制御がより複雑になるから、分業化しないと仕事が終わらない。
枯れた技術なら下請け部品メーカーに任せてしまう。
さらには、ISO26262という規格による車両の機能安全を文書により明確化する必要や、部品の製造責任区分(不具合時、仕様が悪いのか、製造上の問題なのか)を明確化する必要が出てきた。すると下請け部品メーカーが自社で責任を負うことになり、下請け部品メーカーが担当する部分に関しては、自動車製造メーカーが口出し出来なくなる。
だから今後は、各部門間の連携をどうすればより良いアウトプットが出せるのかが重要なように感じる。
だから、『そこを上手く橋渡しできる人材が求められている』と思う。
どのような技術を研究開発するか
iPhoneは全て既存技術だとよく言われる。iPhoneみたいな発想で物を作れば爆発的に物が売れると言われることがあるが、iPhoneを例に出されてもその先の発想には思い浮かばないのではないかと思う。
では、こう言われたらどうだろうか?
富士重工業(スバル)のアイサイトのコア技術は、前方車両との距離を誤認識すること無く正確に測定できる事である。ただこのような技術は『研究』としてレーザーやカメラを使って距離を計測できることは分かっていた。問題は、いかに誤認識しないシステムを作り上げるかだ。これは『開発』の仕事である。
他の例では、
マツダのスカイアクティブであるが、スカイアクティブエンジンに関して、研究者の間ではガソリン混合気を圧縮すると条件によっては勝手に爆発が起こる『自着火』という現象が知られていた。しかし実用的な全ての条件で自着火を起こす事を研究者は夢見ていたのだが、マツダは上手いこと良い所をとって製造までこぎつけた。これも開発陣が相当頑張ったに違いない。
この2例のように、研究レベルで出来ていることはたくさんある。
それが商品化されていないのは何らかの理由があり、その出来ない理由を明確にして技術を持って取り除けは世界初の素晴らしい商品は生まれると思う。
そのためには『研究』と『製造』をつなぐ技術に対していかに愚直に取り組むかにかかっていると思う。