愛知製鋼棒線工場稼働!点火時ガス濃度確認しなくて良いのか?
下の記事を書いた際、特殊鋼を製造するラインの爆発で復旧は難しいと述べましたが、情報が揃いましたので、棒線圧延工程の詳細をまとめました。
爆発事故が起こったのが1月8日ですから、復旧まで約2ヶ月半かかりましたね。
設備の導入という意味では早い復旧だったと思います。
当初ニュースで伝えた復旧の見通しは1ヶ月以上だったので、それよりはやっぱり時間がかかりました。
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愛知製鋼の爆発事故を起こした第2棒線圧延工場が稼働
http://www.newsjs.com/url.php?p=http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20160318-OYTNT50005.html
愛知製鋼(株)が平成28年3月17日に発表した内容です。
(この記事では、この内容を基に書いています。)
愛知製鋼(株)はトヨタ自動車の親会社『豊田自動織機』の製鋼部門が独立して出来た会社なので、トヨタとしても無碍に扱うことが出来ない会社ってことです。
爆発事故の原因は滞留ガスにパイロットバーナーで引火
加熱炉を点検作業する際、ガスが漏れて滞留していたのに気がつかず、パイロットバーナー(火種)の火が引火して爆発事故が発生した。。。と愛知製鋼は推定しています。
日頃からガスが漏れている事は分かっていなかったのですかね?
たとえば、『溶剤の入ったドラム缶の中が見えなかったので、持っていたライターで火をつけて、ドラム缶の中を覗こうとして瞬間、滞留ガスに火がついた』という話は良くあるので、そのような知識を身につける教育は会社がするべきですよね。
第2棒線工場における再発防止策
今回の発表内容の中に、第2棒線工場の再発防止策があります。
エアパージとは、通常配管内などに溜まったオイルやゴミなどの吹き飛ばし、洗浄の意味ですが、今回の場合は、火種がガスに引火した事を防ぐので、換気のイメージです。
エアパージ作業の重要性や、点火作業の安全ポイントの再教育とあるので、
今までも社内教育はあったのでしょうね。
また、物理的にインターロック機能を追加して、エアパージ完了していないと、点火作業出来ない機構になっています。エアパージだけで本当に大丈夫なのかが心配にもなります。(余談ですが、報告書としてはエアパージだけで大丈夫という証明が必要)
たとえば、ガス検知器で気中のガス濃度を検知して、点火してもよいという確認は必要無いのでしょうか???
事の重大性が非常に高いので、ガス濃度検知の確認があっても良さそうな気がします。
次に、なぜ今までこのようなインターロック機能が無かったのか?ですが、愛知製鋼のホームページを見ると、爆発のあった第2棒線圧延工場は平成元年7月稼働開始になっています。バブル期に作った設備なので、安全顧みずで作った大昔の設備では無いと考えられます。するとその当時の従業員の技術スキルで考えると、パイロットバーナー点火の前に空気を換気するのは当たり前だったのが、最近になって技術スキルが低下して、発生した爆発事故のように感じます。結局最終的に被害は人のミスに行き着きます。
全社での再発防止策
結局最終的に人のミスで引き起こされるので、それをミスさせないようにするのが、教育だったり、フェールセーフ機能になります。
社内教育は徹底して行っていただくとして、フェールセーフに関しては、爆発だけでなく、暴走、発火なども重要なチェック項目になっていきます。
頑張って、より安全な製造が出来るようにして欲しいです。。。