国が支援する新しい転職の形『卓越研究員』の紹介
ヤフーニュースを見ていたら、卓越研究員という聞き慣れない言葉を目にした。
これについてよくよく調べてみると、
これは文部科学省が主催する転職フェアであることが判明しました。
転職要項としてニュースより分かりやすくまとめました!
↓文部科学省のホームページはこちら↓(元ネタ)
卓越研究員事業(Leading Initiative for Excellent Young Researchers(LEADER) ):文部科学省
国が研究者の転職支援する目的
- 不安定な雇用によって、新たな領域 に挑戦し、独創的な成果を出すような 若手研究者が減少
- 産学官のセクター間を越えた流動性 が低く、急速な産業構造の変化への 対応が困難
国立大学が法人化した事も含めて、大学では、40歳未満の本務教員比率が低下の一歩を辿っている。
特に国立大学の教員は40歳以上が圧倒的に占めていて、39歳以下はどんどん減少しています。
このままでいくと科学技術分野における日本の国力が低下する可能性が高いという危惧がある。
また、大学や公的機関、企業のセクター間流動性が低いために、急速な産業構造への変化に対応できなくなっている可能性が高い。
これらを包括的に解決するのが、文部科学省が提供する卓越研究員制度です。
応募資格(どんな人が応募できるのか?)
以下の3点を満たしていること
- 博士号所有者または博士課程満期退学者
- 2017年4月1日時点で40歳未満
- 研究機関での研究経験がある者
外国人でも申請できて、2016年度は150人程度の予定。
転職先ポスト(どんな受け入れ先と職種があるのか?)
大学や研究機関でのポストも多いのですが、ここでは主な企業の転職先ポストをまとめてみました。
下記企業内では研究が可能な環境が与えられ、そこで自分の設定した研究が出来ます。
ただし、業務の50%弱は、企業側からの依頼による業務をする必要があるかもしれません。
企業名 | ||||
---|---|---|---|---|
ほぼ日本を代表する企業がそろっています。
また、その中でも、こえらの会社は高い給料を払ってでも優秀なブレーンが欲しい企業ですので、経営がしっかりしてて景気の良い企業と思って良いです。
研究分野の他にも、職種と勤務形態を記入しました。注意すべき点は、この職種と勤務形態によって、その企業の受け入れる意図が見え隠れしています。
職種を見れば、管理職として部下を率いてリーダーシップを取って欲しいのか?
それとも、実務をして欲しいのか?
また勤務形態を見ると、テンポラリーなお試しで考えているのか?
もしくは、継続的な永遠のテーマに関する業務を考えているのか?
そのあたりは面接などを通じて、人事部から意向を確認する必要がありそうですね。
給料に関して
トヨタ自動車は13万ドル(約1450万円)の基本給となっていますが、トヨタの申請ポストでは、管理職では無さそう。でも、40歳手前の技術者であれば、トヨタの給料で言うとほんのちょっと高いくらいではないかと思います。
破格というほどではないですね。
研究費に関して
国からの援助は以下のようになっています。
- 年間の研究費600万円上限(2年間)
- 研究環境整備費年間300万円上限(5年間)
はっきり言いまして少ないと言わざるを得ません。
理論系の研究には問題ないかもしれませんが、特に実験系の研究者には足りないでしょうね。
だから、いかにして企業側からバックアップが貰えるかが焦点です。
まとめ
今までも大学や研究機関、企業の総合研究所などは、このような技術者、研究者の交流がなされてきましたが、このような形で文部科学省が主導して技術者の流動性を高める試みは高く評価できます。
技術者や研究者だけではなく、もっと企業の従業員に関しても流動性を高めることで、人件費の圧迫による企業の衰退や、急速な産業構造の変化への対応が出来ると思っていますし、またそうでなければいけないと個人的に考えています。