研究開発者のブログ

最近、うちの会社辞める人が多いんだけど大丈夫なのか???

『テスラのソフトウェアアップデートで実現する自動運転車社会』講演を聞いた感想

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2016年3月10日(木)、Cloud DaysTokyo2016の基調講演として、テスラモーターの社長ニコラさんがスピーチしました。

この記事では、その内容+αの情報をお伝えします。

 

講演では、最初にビデオを流してました。

こんな感じ↓の工場を紹介するビデオです。


How the Tesla Model S is Made | Tesla Motors Part 1 (WIRED)

テスラの車は、全てアメリカのNUMMIで作られてます。

去年年間6万台製作されたそうです。

テスラは運の良い会社だなと思います。

というのは、NUMMIはほぼトヨタの工場でトヨタが使えないと見切った工場をただ同然で購入できたのですから。工場内は日本のFANUCのロボットが稼働しています。

自動車の製造工場はほとんど、重工業の世界なので、莫大な設備投資が必要になります。

実は、日本の電機メーカーがアップルやサムスン、鴻海などにやられてしまったのに、日本の自動車メーカーが大丈夫なのは、莫大な設備投資や部品点数が多く、いろいろな下請け会社を使った車の設計や部品の管理などは簡単に出来ることではなく、時間がかかるから、新規参入する会社が少ない。また新規参入したとしても急速にシェアを伸ばすほどの生産が出来ないため、普及するまでの機関に、トヨタとかの既存自動車メーカーが同じようなことが出来るようにするため、日本の自動車メーカーは大丈夫なのだと思います。

ビデオを見た後、我々が使っているエネルギーの1/3は生活。1/3は冷暖房、1/3は輸送に使われている。テスラは、輸送に使われているエネルギーを激減させることを使命としている。

しかし、夢だけでは会社は成り立たないので、利益を確保した会社にしたい。

利益を出すため、まず最初にロードスター(車名)を作った。これは限定生産、次に今も販売しているセダンのモデルS(中量生産)、今年には、SUVのモデルXを販売する予定。こうやって、利益を出しやすいモデルから販売していったそうです。非常にビジネスセンスを感じますね。もともとお金がかかってしまう商品であれば、高級品を少量生産して買ってくれる人がいれば、それだけで儲けが出るという考え方ですね。高級品は世界中を見れば買ってくれる人がいるものです。

モデルXは、ファルコンウィングが印象的な車で、距離センサーが障害物を検知して、ファルコンウィングが開くときにぶつからない制御が入っているそうです。また、ファルコンウィングのシールドに関しては、ロケット航空機の技術をイーロンマスク関連会社のスペースXから導入しているそうです。

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ロードスターの金額は2000万円、モデルSが1000円程度、モデルXが400~500万円くらい。ではどうやって安く車を生産するかというと台数を多く作ることと、バッテリーの価格を下げることだそうです。

バッテリー

バッテリーは日本のパナソニック製が使われています。

結構テスラって日本の技術で成り立っているんですね。。。

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この図のように、大量生産することで、2008年に比べて2015年は約40%になっています。おそらく車両価格の大半はバッテリ価格が占めていると思われますので、そのバッテリー価格が40%まで下がれば、より安い車を提供できますね。

充電に関しては、スーパーチャージャーという独自の方式での充電になって、40分で80%の充電が可能。(満充電したければ5~6時間の充電時間が必要。)500km走るモデルであれば、40分で400kmくらいは走るということか。。。400kmくらい走ったら、40分位は休みたいと思うのでしょうね。実際400km走ったら、次の走行は明日かな。。。専用の変換アダプターを使えば日本の急速充電方式であるCHAdeMOでも充電できるそうです。

テスラ車の特徴的な機能といえば、自動運転(オートパイロット)ですよね。今年一月にプログラムがアップデートして自動運転機能が追加されました。

でも、これって非常に注意が必要なのは、プログラムのアップデートに必要な時間は45分もかかるんです。その間テスラ車を運転できないんです。。。

でも、テスラ車は、1.5年前からハードウェアは自動運転できるものが内蔵されて販売されています。

通常、日本のメーカーは2年毎にマイナーチェンジをします。リコールがなければ、ソフトウェアのバージョンアップなどはありませんから、そう考えるとテスラ車は、いつ買っても損になることはない。たとえば、1~2年経ってからでもテスラの車は最新のテクノロジーを堪能できるのです。追加料金無しで!その点はオーナーには有利な買い物ですね。

自動運転機能

自動運転機能は、日本では自動駐車くらいしかメリットが無いかもしれない。

テスラとしては、

  • ドライバーの疲労度
  • 注意力
  • ストレスの低減

に関するリサーチをして行きたいと言ってました。

自動運転を実現するために、センサーは、前方カメラ+レーダー、超音波センサー、マップとGPS情報を読み取り、総合的に判断しているそうです。

超音波センサーって音波が風に流されて、誤認識しそうなのだけれど、大丈夫なのか?テスラ

しかし、法律は国ごとに違い、日本ではもし自動運転中に自己を起こしたら、自動車メーカーの過失ではなく、ドライバーの責任になるそうです。だから、自動運転中はハンドルに触っていなければならないそうです。自動駐車中とかハンドルに触っていたら危ない感じがしますけどね。結構人間でもやらないくらい自動駐車時はハンドル回転が早いですよ~。

どんな人がテスラ車を購入しているのか?

最後の最後にすごいことを聞いてしまいました。

それは。。。

テスラを購入してくれた人にアンケートを取ったそうです。

質問は、

『どうしてテスラ車を購入したのですか?』

そのアンケートの結果は、、、

  • デザインが良いから
  • 技術力があるから
  • 新しい機能を体験したい

ということで、レシプロエンジンではなくモーターだから!。。。

という理由で購入された方はあまりいなかったそうです。

???ですね。トヨタプリウスなどは、燃費が良いから買ってくれている感じがしていました。また環境に優しいから購入したという人もいそうな気がしましたが、

実際は、環境に優しい自動車だから購入する人はいないようです。

だとしたら、今のテスラって、、、モーター+バッテリーじゃなくてもいいじゃん。

バッテリーだから高いクルマになっているので、テスラがどこまで生き延びれるか心配な感じがします。。。

テスラの講演内容は以上です。

講演のあと、質問タイムも無かったですし、あとで質問する人もなく、あっけなく社長は帰って行きました。。。

社長の隣には秘書なのか広報なのか分かりませんでしたが非常にキレイな女性がついてました。思わず写真を取りそうになりましたが、そんな写真をとってもブログにはアップ出来そうに無いと思って諦めました。。。

少人数制ですが、モデルSの試乗会もありました。

乗ってみたかったのですが、時間の関係で諦めました。残念!

モデルSは、1.1Gで加速するそうです。速そう♪

 

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