中小企業が新卒採用にかける本当の理由
最近は、大手就活サイトでの掲載企業が多くなっているようです。
各社就活サイトの掲載企業数は今年、以下のように増えました。
リクナビは50%増、マイナビは19%増、キャリスタ就活は16%増です。
これは、学生向けのサービスで、企業側は新卒採用になります。
就活サイトは、企業に広告スペースを売って、サービス料金を貰っています。最低でも年間で100万円以上するサービスなので就活サイトの利益は相当なものです。
企業側からすると、100万円出してでも狙い通りの学生を見つけられれば投資が成功なのですが、見つけられない場合は、痛い出費となってしまいます。
新卒給料が20万円とした場合、100万円は5ヶ月分です。
経費もありますので、単純計算はできませんが中小企業にとっては、将来を左右するイベントである事は間違いないです。
大手企業であれば、このような就活サイトを使わなくても学生は集まりますし、学校推薦によって、質の良い学生を選考できるので、確実に買い手市場です。
しかし、中小企業にとっては、就活サイトに登録しても学生から相手にされなくて、質の良い学生を採用するのは難しいですね。
学生からすると、ある程度良い企業でなければ、ニートをしていた方が良いとも思うでしょうし。。。
そのような不利な状況で、なぜ中小企業が新卒採用を活発化させているのか?
中小企業は今まで、即戦力である中途採用してきました。
それが今、変わろうとしています。
中小企業が新卒採用にかける本当の理由
大企業の中途採用は大企業が考えているほどの質の高い方を採用できないので、新卒を数年かけて育てた方がお得だし、それだけの金銭的な体力がある。
しかし中小企業は、新卒に教えこむだけの体力もないので、即戦力である中途採用を拡大してきた。
しかし、ここにきて状況が変わりつつある。
状況変化には2つの要因があるように思う。
ひとつは、日本社会の取り巻く環境が変わってきた。
たとえば、ものつくり企業など、労働賃金だけなら日本より東南アジアの方が、ものつくりは安く出来ます。物価が違うのですから。
だから、中小企業も今まであった採算が合わない業種はどんどん無くなっていき、インターネットを中心として、採算利益の望める業種が中小企業でも増えてきています。
ふたつめは、ゆとり世代という言い方が正しいのかどうかは分からないが、確実に日本人の仕事をする能力は低下している様に思う。
それは、考え方だったり、コミュニケーションだったり、知識だったり、自分の活かし方だったり、何か重要な事がかけているように思うのです。
特に転職適齢期という事で考えると35歳くらいまでの方です。
もちろん出来ている人もいるが、そのような人が圧倒的に少ない。
天才肌の人はいるけれど、秀才肌の人が少ないという言い方が正しいのかもしれない。
そうなると、中小企業の採用担当者の立場では、中途採用では、必要な人材が確保できないから、必要な人材を確保するには、新卒を採用して教育する事も考える必要が出てきたというのが本当の理由では無いかと思います。
多少、景気が良いこともあり、お金を採用に回せる事もあると思います。
しかし、それだけでは新卒採用を新規に追加することは出来ないと思います。
中小企業では、どう教育したら良いか分からないと思うからです。
仕事のデキる社員を作りたい場合、実績のある人を中途採用できればよいですが、そうでない場合、中途採用で入社した人は最初の会社で変な癖がついてしまって、その後に教育することは非常に困難です。
だから、新卒で採用してキッチリ教育することが出来れば、かなり利益を出せる会社に変えることが出来るのだと思います。