研究開発者のブログ

最近、うちの会社辞める人が多いんだけど大丈夫なのか???

東芝早期退職から考える『日本のもの作りに対して経営上思うこと』

ここ数年、電機メーカーの衰退には厳しい物がありますね。

シャープも鴻海に買収されました。

他の電機メーカーでもリストラは始まっています。

東芝も大規模な早期退職制度を始めています。

東芝の早期退職は全社で2000人を3月下旬まで募集しました。

東芝の事例から、今後のもの作り日本に関して考えてみたいと思います。

zasshi.news.yahoo.co.jp

東芝の早期退職で記事に書かれていることのまとめ

  • 会社が斡旋する求人案内は、大手企業がずらりと並ぶ
  • 求人の職種は製品拡販、機械設計、電気技術者、設備技術者、研究開発など
  • 給料は年収500万円~1000万円(40歳管理職で年収705万円など)
  • 東芝社員はとても優秀な人が多いと思われている
  • Uターン就職の斡旋も多い
  • 家電半導体部門中心に1万1000人の社員削減発表
  • 画像用半導体の大分工場をソニーに売却
  • 白物家電事業を中国家電大手『美的集団』に売却
  • 早期退職に応じた人は割増退職金
  • 50代前半の退職金は3000万円弱が5000万円くらいに上乗せとなる
  • 優秀な人材ほど『これを機に』と転職に応じている

 

会社内ので求人案内は、幅広く、またかなり多くの企業求人があったみたいです。

東芝で40歳管理職であれば年収は1000~1000万円くらいでしょうね。

それにしても、40歳管理職で年収705万円の求人は、よくあるレベルかなと思います。

もっと年収が高く出す企業もあることでしょう。しかし、その場合は、その企業にポストが空いている。

もしくは、必要としているポストがある場合に限られるのが通常です。

『50代前半の退職金は3000万円弱が5000万円くらいに上乗せとなる』というのは羨ましく、また美味しいですね。

この50代前半の方が60歳まで働いた時の退職金が5000万円くらいになるのではと予想されます。

ということは、退職金を満額もらって、今辞められるということです。

実際、優秀な人材ほど転職に積極的だそうです。

優秀な人材であれば、東芝社内で用意された求人情報は利用せずに自分で転職活動をして転職先を見つけてきたのだと思います。

そうでないと、今と同じくらいの年収は得られないでしょう。

 

日本のもの作りに対して経営上思うこと

1990年代のバブルが弾ける前までは、日本が世界の工場であった。

しかし、それがもっと労働力が安い中国などに生産の場は移って行った。

誰でも出来る仕事ならば、労働力が安いところでやれば良い。

誰でも出来ないような仕事だからこそ、高い給料を貰うことが出来るわけです。

日本はもの作りを得意としてきた国でありながら、間違った方向に行っていると思うのは、政府がベアアップを要請していることです。

もともと銀行や不動産取引のような利益率をもの作り企業では望めない訳だから、ベアアップすることは、安い人件費で済んでいる外国企業との競争力を無くさせている。

 

wedge.ismedia.jp

すでに高い給料の企業がベアアップする必要性はない。

このような状況では、白物家電などを中心に不採算部門を、人件費の安い企業に売却するしか道が無くなってしまう。

逆に言うと、給料の高い日本のもの作り企業では、誰でも出来ないような仕事内容にシフトするしか無いという事です。

そう考えると日本の終身雇用という考え方は合わないと思います。

出来ない人に出来ない事をしてもらうことは、やって貰う人にとっても、やる人にとっても不幸になるだけなのです。

出来ない人には、新たなフィールドで活躍していた頂くことが重要です。

その対応能力を身に付けるのは、本人の役目ではないかと思います。

いろいろな製品のタイムスパンが短くなっている現在では、今まであった仕事がパソコンやITで無くなってきています。

その繰り返しですから、従業員はどんどん新しい仕事に対応していく必要があるのです。

鴻海では、毎年実力を発揮できていないという理由でレイオフされる人が3~5%いるそうです。

アメリカのシスコシステムズでは毎年10%がレイオフされると聞きました。

毎年何%をレイオフするかは状況によって変わると思いますが、レイオフすることで、頑張って成果を上げている人の給料を高く出来るのではと思います。

そうすると従業員は目先の事を中心に考えるようになると思いますが、将来戦略に関しては、経営者が責任を持つ必要があるのです。

今の日本には、大企業を経営できる人材が非常に少ないのは残念です。

日本全体では、人材の流動性を高く出来るような施策を真剣に考える必要があるように感じます。