大企業社員のキャリアアップと転職の考え方を整理してまとめてみた
大企業の業績不振が電機業界を中心に止まらない近頃ですが、
そんな中で、もの作り系の企業に勤める社員はどうすればよいのか?
キャリアアップと転職に関して考えてみた。
転職を勧める面白い記事を見つけました。
この記事のまとめは以下のとおりです。
- 三菱自動車、東芝、シャープなどの社員の身の振り方を考えた
- 会社のランクが高ければ、そこの社員も優秀と世間からは思われる
- 次々に同じような境遇の社員が出てくるので、転職するなら早めが良い
この記事で、筆者の経験から、似たような企業が時間の差はあれ、同じようなタイミングで倒産やリストラを行うので、同じような境遇の人が転職市場で飽和してしまう。
採用人事部から見たら、限られる枠の中でより優秀な人材を採用したいとの思惑があるから、転職する側は、転職を先延ばしすると、どんどん条件が悪くなる。
よって、上積み退職金を気にするよりも、満足できる転職先があるのであれば、転職会社選びも有利だし、転職先でも早く会社にいる分、有利である。。。
そもそも何で大企業?
大昔、家内制手工業だった頃は、全ての製造工程を少ない人数でまかなっていたため、一つひとつの仕事に対するクオリティーは非常に低かった時代があった。
それが製品のクオリティーの向上と大量生産をするために、たくさんの人数が集まって一人ひとりの仕事のクオリティーの集大成が、最終製品を見た時に、簡単には出来ない商品として販売され、大企業でないと出来ない事業だったので、そこが寡占となり、
大企業は大きな利益を生んでいた。
しかし、今の世の中は大きく様変わりした。
日本も日本に工場があって日本でものを作っていた時代(バブル前)には、日本は今のように裕福ではなかった。と今にして思う。
それが、バブル期に、安い労働賃金を求めて、もの作り企業は東南アジアに工場を作った。
これでは、産業の空洞化が起こると警鐘を鳴らす人もいたが、コストには勝てず、工場を海外に移転せざるを得なかった。
工場の海外移転で、日本のもの作りメーカーは、大きな利益を得た。
その大きな利益によって、従業員(主に理系大学出身社員)を増やしていった。
では、その理系従業員達は何をしなければいけないのかというと、
製造ではなく、より頭を使った創造的な研究だったり開発だったりの仕事内容が求められた。
創造的な仕事には、失敗が付きものである。失敗の積み重ねで出来たもので無ければ、世の中の役に立つような物になる確率は非常に低いと思う。
エジソンにはたくさんの名言がありますが、
そのようなマインドが今の大企業に勤める研究開発者には必要なのではないかと思うのです。
私は失敗したことがない。
ただ、1万通りのうまくいかない方法を
見つけただけだ。(エジソン)
給料が高いという事は、それだけの利益への実質的な貢献が本来は求められるということです。
たくさん給料もらって楽な仕事というのは数年は続くかもしれないが、
長年にわたって続くことはない!と断言したい。
理系大学出身者のキャリアアップ
では、我々理系大学の出身者で企業で研究開発している人達のキャリアアップはどうすれば良いのだろうか?
理系大学を卒業している段階で、ある程度の自分の得手不得手を認識していると思う。
自分が興味のある事で、ある程度自分が出来そうな事が何かを始めるきっかけになると思う。
それに、将来伸びそうな業界や業種は早めに取り組んでいけば、ライバルは少ない。
技術の世界は、頭の良い人がいたとしても、多くの経験している人には敵わないと思う。
早めに取り組んで経験を積んでいくのが、技術者のキャリアアップに重要なことだと、いままでの自分の経験から、そう思う。
そして、一度始めて1~2年して芽が出てきそうだなと思ったら、その分野に傾注して、経験、キャリアを伸ばしていくことが良いと思う。
そして、もし10年程度、その分野で自分がやってこられたら、論文や講演出来るくらいの知識や成果が出来るとベストです。
また、10年経つと、必ず世の中が変わっています。10年前に考えていたことは古くなり、次はこのような世の中になる。とか自分の方向性を整理する時が来る。
そうなったら、今までやってきたことは、自分の中でのベースや自信として、
新しい技術にチャレンジするのが良いと思う。
すると、会社員をしているのであれば、大学院を25歳で修了して、65歳まで働くとすれば、40年間、だいたい4回くらい面白い技術にチャレンジすることになる。
すくなくても3回は面白い技術にチャレンジできると思う。
そうすることで生き生きとした技術者としてサラリーマン生活を活躍できる。
一番良くないのが、自分の技術の世界に閉じこもってしまう事だと思う。
ただ、人によっては今までやってきた事をさらにやりたいがやれる環境にない場合があり転職する人がいますが、そのような方は自分の信念で転職するのは立派だと思う。
なぜ、大企業が業績不振に陥るのか?
さきほども述べたように今の日本の大企業は、製造を海外に依存して、研究開発する技術者は、高い給料に見合った価値のある新しい商品開発が必要になった。
それを阻んでいるのは、チャレンジ精神のかけた社員なのだと思う。
まだ若手の社員がチャレンジ精神を持たないのであれば、言語道断であるが、
問題は若手のチャレンジを阻害してしまう中間管理職にある。
中間管理職に、
『リスクを負って不具合が起こったら仕事が増えて、さらに評価が落ちる。また、チャレンジをしなくても自分の地位は守られ、エスカレーター式に給料は増えていく。。』
と思われたら中間管理職は、部下に出来るだけ保守的な開発をさせて、チャレンジングなリスクを負わないようになる。
すると製品がマンネリになり、他のベンチャー企業に先を越されることになる。
大企業病とも呼ばれるが、そんな言葉で語るよりも、
本質として今まで述べてきたように『技術者としてどうすべきなのか?』という所に立ち返って、自分の人生を常に設計していく必要があるように思う。
それを会社の都合で台無しにされないようにして欲しいと思います。
たとえば自動車業界でリコールによる損失が怖くてリスクを負わない会社は、将来が無いと思います。
リスクは、あらかじめ想定されることを洗い出して解決すれば良いだけの事だと思います。
転職するなら、どんな会社が良いのか?
社員一人ひとりが本質に立ち返って、やるべきことをしっかりやっている会社は立派だと思う。
常にチャレンジ精神を持って仕事し、
転職するのであれば、外から会社の内部の事は分からない。その会社の従業員や上司になってくれる人とちょっとでも話が出来ればよいが、転職活動をしていない状態では、そんな機会は無いですよね。
唯一会社の内部の状態を知る機会があるとすれば、転職活動で、転職先に面接に出向いた時くらいだろうと思う。
だから、その際は必ず上司となるかもしれない面接官の仕事に対するマインドをチェックして欲しいと思う。
一人だけでは足りない。
複数人の面接官をチェックして総合的に判断して欲しいと思います。
面接では、中間管理職と役員の両方が見られるので、どちらもチェックです。
中間管理職は、自分の上司になる人かもしれませんし、役員は将来の会社のビジョンを語ってリーダーシップを発揮する必要のある人ですから、チャレンジ精神を感じない人だったとしたら、将来が厳しいです。
チャレンジの無い会社は、業績が下がることは目に見えているし、そんな会社であれば、自分がやりたいと思うことが出来る可能性は低いでしょう。
だから、チャレンジする雰囲気を上司自ら作り出しているかどうかを転職の面接では感じ取って欲しいと思います。